ファイナルファイト
スーパーファミコン
1990年12月21日発売 8500円(税別)
カプコン

アーケード版からの移植作品

1人プレイ


スーファミ初期にしてはいいデキ。横スクロール格闘のゲームを簡単に言う場合に「ファイナルファイト系」とかいうくらい基礎を築き上げたゲーム。このゲーム以降すっかりこのジャンルは定着し、いろんなメーカーからこのタイプのゲームが発売された。

まあストーリーを簡単に言うと、恋人ジェシカをさらわれたコーディーとジェシカの父親でメトロシティの市長である元プロレスラー(すごい設定だな)のハガーが、ジェシカをさらった犯罪集団「マッドギア」をぶっつぶしに行くという話。

コーディー、ハガー共に格闘の経験があり(ケンカ?)、基本はパンチで進む。キックはジャンプ中のみ発動。敵に触れるとつかみの動作をとり、その状態から膝蹴り(頭突き)や投げ技に移ることができる。途中、木箱やドラム缶の中にナイフや鉄パイプ、村正(日本刀)などの武器が入っている場合があり、それを拾うことで武器攻撃が可能になる。
プレイヤーの違いも当時は大きな特徴の一つだった。コーディーはスピーディーな攻撃を得意とし、ナイフの達人という設定で至近距離でナイフを使えば手放すことはない。ハガーはパワー重視のキャラで、つかみ状態で歩くことが可能で、投げ技も2種類ある(パイルドライバーを決めた時の爽快感は自分の手で味わうべし)。

というわけでプレイヤーはコーディーかハガーのどちらかを選んで全5ステージをクリアすれば終わり。

とまあ簡単に言ったけど、かなり厳しい。ゲームレベルを1にしても難しい。自分も何度もクリアしようと頑張ったけど、ラスボスに倒される。
なぜ難しいのか。その1。アンドレ。ザコキャラ扱いなのにかなり強い。パイルドライバーや首絞めなどでダウンさせてヒッププレスで追い打ちというのが彼の一連のパターンなのだが、ヒッププレスをくらうだけでゲージの4分の3は軽く持っていかれる。
その2。ソドム。今や「ストリートファイターZERO」シリーズで有名の彼のデビュー作はこのゲーム。ステージ2のボスで、デスマッチ会場みたいなところでマサムネの二刀流で攻撃してくる。いろんな本で「ラスボスより強い」「本ゲーム最強の敵」などと評されるほど強い。軸をずらすとダッシュ攻撃が当たらないという技があるらしいが、自分はよく知らないので難関となる場所である。
その3。クレジット回数の少なさ。3つか4つだった気がする。しかもコンティニューすると、一度ゲームオーバーになったステージの頭から始まる。まあこれは仕方ないか。

という感じで、私にとっては難しく感じるスーパーファミコン版だが、アーケード版はもっと難易度が高い。その難しさはハガーでクリアするのはほとんど無理と言われたことがあるほど。
アーケード版がらみでお話をもう一つ。このゲームはアーケードからスーパーファミコンに移植するにあたって変更点が多数ある。まず、アーケード版にはプレイヤーが3人いる。コーディーとハガーと、ガイという武神流の使い手。彼はあまりストーリーの本筋にあまり関わりがなく、オープニングでも「せっしゃもすけだちするでござる」とか言ってるだけ。それが原因か、スーファミ版ではカットされている。今ではストZEROシリーズで大活躍しているが、古くからのファンでないと、ガイはファイナルファイトのキャラだということは気付かない人もいるみたいである。ちなみにこのゲームが発売後ちょっと経ってから「ファイナルファイトガイ」というものが発売された。これはコーディーのかわりにガイが選択できるという、ガイファンのために制作されたバージョン。また、同じくストZEROシリーズに登場しているロレントもデビュー作はこのゲーム。スーファミで言うステージ3(エディのステージ)とステージ4(アビゲイルのステージ)の間にアーケード版にしかないステージが存在する。そのステージのボスがロレントである。ファイナルファイト2をプレイした人は動きはあのまんまと言えば分かってもらえるはず。手榴弾をポイポイ投げながら三角蹴りなどを出してきて、最後は手榴弾を自分の周りにバラまいて自爆するすげえヤツ。しかし彼も容量の都合でカット。さらに、一番痛いのが、「2人プレイがカット」。これがなくてかなりショックだった。

かなり容量が足りずにカットされてる箇所が多いこのスーファミ版。でも、色々カットしてまで頑張ったこの努力に拍手を送るべきである。
でも、完全移植してほしいなぁ。GBAで出すならPSで出せ!キャプテンコマンドー出すぐらいならファイナルファイトを出せ!以上。


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