シルバー事件

プレイステーション
1999年10月7日発売 5800円(税別)
アスキー(開発:グラスホッパー・マニファクチュア)

コンシューマーオリジナル作品

1人プレイ


―1999年 伝説の殺人鬼ウエハラカムイが24区に甦った。犯罪者、テロリスト、世紀末のカリスマ……奴は一体何者なのか!?プレイヤーは24署凶犯課の刑事となり次々と発生する事件の真相に迫っていきます―

というのが一応のあらすじ(ただの刑事ものだと思っていると驚くけど)。…システム的なことをいうと、新手法「フィルム・ウインドウ」によって物語が進行していくアドベンチャータイプのゲーム。事件発現編「トランスミッター」と事件解析編「プラシーボ」を交互にプレイしていくことになります。

…という内容なんですが、なんも知らずに買いました。パッケージがカッコよかったので。いわゆる、ジャケ買いです。でも、カッコイイのは、パッケージだけではありませんよ。全てにおいて製作者のセンスのよさを感じるゲームです。
はっきりいって、「ただ読むだけ」のゲームです。3D画面の移動の操作性もよろしくないし…。ゲームの冒頭部分をプレイしたとき、正直「あ〜、失敗したかな…」と思ったんですが、case#1が終わる頃には、すっかりハマっていました。
とても深いストーリーです。たった1回のプレイですべてを理解するのは難しいでしょう。そしてストーリーもさることながら、何より、「言葉のセンス」がいいのです。私は、ゲームをプレイしていてストーリーがそれなりにいいのに「言葉のセンス」があまり好きじゃないと感じることがよくあります。とくにRPGなどで…。でもこのゲームに関しては純粋にカッコイイと思いました。
あとね、キャラクターが良いのですよ。宮本崇さんの絵もスタイリッシュで合ってるし。とくに、私はコダイスミオが好きです。彼はいつキレるか予測不能でいいです。
case#3:parade、report*3:tsukiは大好きです。本当に。それに、クサビの無敵ぶりもね。ナカテガワも変態…すきやし。モリシマトキオもね。亀と友達でいいっス。何度も頭ん中でモリカワとごっちゃになりましたが…。

シルバー事件と同じグラスホッパー・マニュファクチュアが製作したPS2ソフト「花と太陽と雨と」も良いですよ。シルバーの人物(と、それに関係の深い人物)もでてきます。シルバーのディレクターの須田剛一氏の「ムーンライト・シンドローム」をプレイするのもいいでしょう。新しい事実が見えてきますよ。深いね。

……この文章、完全に‘布教用’ですね…。まあでも、「情熱」は痛い程伝わるからいいのか…。

シルバーは音楽もいいですよ。サントラは、グラスホッパーのホームページから通販できます。

                       (文・キリン)


ゲーム雑誌やテレビでシルバー事件の映像を見た時は正直「よくわからない」って思いました。特別、文字が出てくるわけでもないし、フィルム・ウィンドウはしゃしゃしゃっと切り替わるし。こういうゲーム少なくないと思います。見ただけではわからない、実際に体験して初めてその面白さが分かるというゲーム、必ず皆さんにもあるはずです。そういうゲームこそ、布教する必要があるのです。みんなに面白さを伝えるのは難しいですが、広めるのも楽しみの一つかもしれません。私も機会があったら触ってみようかと思います。(KENT)


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